なにはともあれ、なにわから出んとどうにもなりませんので、行ってきま~す!!
河内のあさぼらけ~。
今年も重要な作家活動のために40日ほどフィンランド~ノルウェーに行くわけですが、昨年の長い北欧生活の揺り返しなのか、どうにも気持ちが落ち着かず、理由も分からず悶々とした気持ちでの出発となりました。 懸命にモチベーションを高めようとするのですが、もやもやと整理がつかないのです。
ようやく見つけた北欧での作家としての充実と、どっちが自分の生活の中心であるべきなのか。一個人として考えても考えても、すっきりと心がついてゆかないのです。
自国での美術活動を大切にしたい気持ちもあります。しかし時々、芸術や文化を軽んずる国の実態や、地域環境の荒廃した現状には失望してしまいます。
一方で、あこがれ続けた北欧文化に溶け込んでみて得られた幸せの大きさ。想像もできなかった温かい歓迎をうけ、芸術家として確固とした存在を認めてもらるようにもなりました。そんな夢のようなことは他に無いはずです。なのに、なぜかすっきりと気持ちが晴れません。
日本以上に和の美徳が息づく国、フィンランド。しかし、そこは私の生まれ育った国ではありません。心からかけがえなく思い続けていた日本の光景は現在もはや破壊され、わたしはもう完全に失ってしまったと思っていました。しかし憧れつづけていた北欧フィンランドにそれらがそっくり残されていたことに驚愕しました。それを大切に生きる人々の心にも。
でも、そのことに安らぎを覚える私の気持ちはしょせん昔の日本へのノスタルジーでしかありません・・・
空港への途中、ローカル線で早朝の郷里の風景を、なんともいえない思いで眺めていました。自分を育てた地。かつて大好きだった場所。たくさんの美しい思い出があります。しかし洗練された町になれるはずも無く、田舎であることを誇ることも出来ず、ただ場当たり的で無秩序な開発だけが進んで止むことありません。生命や、生活の循環ある環境、独自の文化的景観は破壊されつづけるまま。痛ましく恥ずかしい傷跡だけが放置されています。
この南河内の日の出を、ぼんやりとした意識で眺めながら空港に向かいました。 海外で仕事を控えているというのに、こんなことは初めてでした。
余談:ちなみにわたくしのモチベーションを上げる特効薬は、上質な時代劇を観る事です! (いや、ほんとうに・・・)
バックパックはモンベルの100L の超大型。高級アウトドアブランドの高性能ザックではありませんがこれはこれで気軽な良さがあります。大型のバックパックはこれで4代目。傷みも早くお気に入りもすぐにどこかがダメになります。
荷が多くなると、バックパックの選択は結構重要になってきます。容量が多ければいいというわけではなく、また、軽ければよいというものでもありません。バランスが一番大事なのですが、どういった荷物をどの程度運びたいのかによって、そのバランスも変わってしまうので難しいのです。体力的に無理のある物量は根本的に運べませんので、日々の活動内容も考えねばなりません。
このザックは今回あえて全てのバックステー、パネルなどの不必要なものをはずして500g以上も軽量化しました。なんとウェストベルトまではずす大胆な軽量化! その分安定は悪くなりますが、高山へ登頂するわけではありません。今回の滞在内容を考えて思い切りました。
向こうで去年買ったクロックスは野外制作作業にも、釣りにも、サウナにもとても便利。
舗装地でしか使用できないような大型トランクを持つのは、長期取材ではNGなのですが、夫婦で活動するならバックパックのみというわけにも行きません。まあ、行動範囲が今回ははっきり分かっておりますのでテキパキすっきり、これで40日間の作家活動、生活用品全てが収まります。
「いってらっしゃいがんばってね!!」
なんだか良く分からないありがたげな彫刻も私を励ましてくれます。
作品下のやたらとでかいタイトルプレートには「希望に燃えて」!!恐るべし!!南カワチ!!
こういうのはパブリックアートとは呼びませんのであしからず。
ほないってきまっさ~!!
「希望に燃えて」!!
今回はKLM。やっぱりすきやねん、機内食。何回食べてもたのしい~。
しかし、最近のKLMの機内食は美味しくなったもんです。
ちゃっかりハイネケン!!
なんやかんや言って、機内食ごときですっかりテンションが上がる単純な私でした。作家活動がどうとかこうとか・・・機内食と比べれば些細なことです。
ずっと待ってたのよ!! そうでしょうそうでしょう。
(作家とは、あらゆるものと自在に精神的会話が出来る
才能(モウソウリョク)をもった人のことを言います。)
おー、ついたついたよへるしんき~!!
ヘルシンキ中央駅。な~んか最近、街中でのスナップがすごい適当…昔は模範的絵葉書ショットを大量生産してたのに…スレたもんです。
ずっと知り合いのお宅でばかりお世話になっていたので、久々のホテルはなんか新鮮。観光旅行だったらこれが普通なんだろうけど、たまにはリッチな気分で・・・うれしい。
(初めてホテルに泊まったかのような、わたくし。TVにくぎずけ。)
(なぜなら、TVでは、「ペイントの歴史」が。ちなみに私は絵画材料学の研究も致しておる身なのです。
画面は植物系の有機顔料を使った原始的な塗料の紹介でした。)
なにやらにぎわっておりますな。
カンピ広場ではホッケーに大盛り上がり。
ヘルシンキは何度来ても落ち着くところです。
でも、今回の目的はヘルシンキ観光にあらず。
明日は郊外の町、タンペレからヴィーラットへ向かいます。今年も天国の夏が待っています。
2012 in Finland 2へ。