またまた、ヘルシンキからタンペレへ

 

 しばらくヴィーラットを後にして、街に繰り出すことに。

 

 

 今回も、オッリさんレエナさんの、ヘルシンキ、ハカニエミのアパートに長期滞在。カウッパハリ(古い屋内市場)が目の前。なんと贅沢な身分でしょう。カウッパハリ2Fカフェの絶品クロワッサンが、ふらっと食べにいけます。また、ホテル暮らしでは、たとえば面白そうな食材購入も、量が多すぎたり、コワそうだったりと冒険できませんが、アパートでの長期滞在なら、保存も出来ますし、いろんな調理ができ自在です。肉屋に並んだ様々な肉!フナみたいな変な魚!燻製!分からないことは何でも聞いて地元の人に教われば、食文化丸ごと地域に溶け込むことが可能です。

 しかし、私には美味しいと定評のある、ここのスープ屋さんはどうもイマイチ。つくれるやん、そんなん。

 

 

 壁にはオッリさんの水彩画。

 

 

 がっこんがっこん、言う、開閉セルフサービスエレベーターと、やたらフォルムの美しい螺旋階段。

 

 

 まあ、とりあえず今日も、カウッパハリ (屋内市場)

 

 魚屋と肉屋、チーズ屋を見てるだけで幸せ!!

 

 

 やっぱり、街は街でいいもんです。刺激は無いけど、優しい人の住む、優しい町並み。

 

 

 

よめさんに連れられ、毎週水曜日のキルプトリ(フィンランド全土に沢山あるリサイクルショップ)へ。

でも、建物のウラのゴミ箱のほうに興味が。

 

 

 この日の目玉商品は、『瓶入り錆び釘(曲がりネジ入り)』と

『中古乾電池セット』

   わたしは『どっかで拾った古いアルバムからはがしたモノクロ写真』を沢山買いました。

 

 

 

 う~ん、ラブリー!!

 

 

ストックマン(フィンランド一のデパート)に行くと

なぜか撮ってしまうおにいさんたち。

  「共にシバいて国を創ろう!!」

 

近所の幼稚園にかわいいイーダちゃんをお出迎え。

「いま、家に日本人のお兄ちゃん(おじさんではない)たちが来てるんだよ!!」

って、自慢しまくってくれていたらしい。おじさんウレシイ・・・涙

 

 

 

 文化的~

 

 

 

 

 

 ゆとりある環境にあたまがくらくら~。写真の水平も傾くってもんです。

 

 

 

 やさしいミントゥさんちへ。

 

 

 

みんなで宇野~UNO!! 色と数字はお互いの国の言葉で言うルール。

「え~、ヴぃひれあ!!」

彼らは「10、じゅう」が言えません。

 

 

 

 このお宅も築80年以上。大切にされている本物の木材で作られた家は、まるでびくともしません。

 本来なら、木の国、日本がそのような価値観を世界に発信すべき事なのに。

日本は自国の林業も見捨て、安物の輸入木材に夢中。なげかわしい。

 

 これだけ植林して原生林を破壊しておきながら、それはないでしょう。林業再生は我々の義務だと思います。

 

 

 

 サッカーゲーム中。エディルちゃんはケーキ作りが得意な優しいおねえさん。

 

 

 

 すんばらしい現代美術館、エンマの親子タンデム便所。

「現代人よ、たまには野性に帰ってみろよ!」と便所が語りかけます。

自然が私たちを呼んでいます。

 

 

 

 Kamppi前はバザール。

 

 

 

 

 

 

 

 輸入ドライフルーツがいっぱい。なんかいつもちびっと買ってしまいます。

 

 

家に迷い込んできたかわいいやつを、そっと連れ出してやります。 

私がいつも手放さないノートにクマンバチをとまらせて。フィンランドではアイドル?

 

 

 

 今日もきました~タンペレっれ!

ギャラリーめぐりとビールを飲みにたんぺれっれ!!

 

 

 いえいえ、教会に祈りを捧げに来たんでげすよ、本当は。

タンペレ大聖堂(聖ヨハネ教会)

 

 しかし、ヒューゴシンベルグ(フーゴ・シンヴェリ)はいつ見てもいいです。彼の作品を見ると、本当にフィンランド的だなあ、と感じるのです。また、祭壇画のマグヌス・エンッケルの大壁画も、本当にフィンランド的。フィンランド絵画の特徴が知りたければ、アテネウム美術館とここへ来れば体感しやすいと思います。

 こればかりは北欧、とひと括りにされがちですが、フィンランド独自の魅力と言えます。

 

 

 

 モダンでゴシックで、ろまねすく的な・・・

 アールヌーヴォーの影響下で100年ほど前に立てられた「フィンランドロマン主義」という西洋美術史では聞いたことの無い様式の建築物。

 ほんとに不思議な教会です。

 

 古い歴史的美術様式を確立しなかったからこそ生まれてきた、いや、作らねばならなかった彼ら独自のデザインと言えます。

 

 

 

 

 今回もゆっくり、ヴァープリッキ。ココにはさまざまな展示があります。

美術の企画展、戦争の歴史、自然の生物、おもちゃ、そして、靴や、アイスホッケーに関する常設展示。

 

 ぼく、こわいねんこういうの・・

      ほんまこわいねん、こういうの

・・ウマもなんか・・・・

・・・・・・

 そやから、ほんまに怖いねんって!! こういうの~っ!!

 

 

 

 

 

 野生動物、自然環境丸ごと展示。フィンランドの動物の剥製展示は、このようなナチュラルなものが多いのが特徴。嫌がる人はほとんどいないでしょう。

 

 

 こちらも国の象徴。 らっぷらんどが懐かしいです。

 

 

 戦争に関する展示。なかなかの説得力ですが、このタンペレと言う街は軍事産業で栄えた所でもあったのです。

 

 

 伝統的な、白樺の皮のザック。私も田舎暮らしして使いたい。

 

 

 うまいビールが待ってるぜ!! 今日はボックかピルスナーか?

 

 

 タンペレの工場の推力の源!ちなみにこのコスキでも釣りが出来るのを知ってる人は少ない!! 誰もはずかしくてやらんのでしょうか?マスや、クハなどが釣れるそうです。もちろんライセンスは必須。自販機で買うと割安!! キオスキで買うとソンですよ。

 

 

 

 タンペレのカウッパハリの入り口は地味。しかし中は活気あります。

ここではタンペレ名物の黒マッカラ、黒ソーセージを買うべし!!

持って帰れなければ、中の片隅のカフェコーナーで食べれます。

 黒いのは血入り。ミンチと麦が入っています。ベリーのジャムを付けていただきます。うかつな注文をすると超長いのが出されてしまうので、ちょっとだけでいいよと伝えるべし。案外肉が苦手な人も食べたりするので意外です。

 

 

 

 双子の暴走族!!

 なぜかこの一年、フィンランドで良く双子を見かけます。

 

 

 

 

トゥーリ・・・恐るべし・・・

 超巨大スーパーマーケット、トゥーリについては以前から誰かに聞いていました。

「ヴィーラットに住んでるんだったら、きっと一度はトゥーリに行くことになるだろうね。すっごくでかくて、何でも買えるんで、ヘルシンキはもちろん、ロシア人まで専用大型バスで買い物に来るんだよ。ホテルも中にあるから、一日買い物三昧して疲れたら、宿泊もできるんだ!」

 へぇ~そんなのがあるのか。私はイケアみたいなのを想像していました。そしてそれが地元の人の自慢の一つなんだろうと。

 

 ところがわたしたちのご主人達は、一向にその話題を出そうとしません。ある日お客さんがこられ、私たちに「もうトゥーリには行って来た?」とご主人の前で聞かれました。やむなくご主人のオッリさんも、浮かない顔で「まあ、近くにそんなのがあってね・・・」と、話題にされたのでした。

 奥さんのレエナさんが、「一度つれてってあげましょうよ。」と言ってくださったのでしょう。その日オッリさんは「おい! トゥーリに行きたいか? 本当に行きたいのか??」「??トッタカイ! もちろん!!??」と答えると「う~む・・やはりか・・・」?

 いったいどういう事情があるんでしょう・・・?

 

 「ついたぜ… 後ろを見な!!」

 

 

 「おおおうっつ!! このデザイン・・・色彩のセンスの潔さはどうだ・・・!!これが現代フィンランドデザインの真価という物なのか!!!」

 

「ヘイ、ヒロハル、前には広大な駐車スペースが完備だぜ! どうだ、おまえ! あのバルコニーから演説でもしてみないか?広大な駐車場に向かってな!!」

 

 

 

 これがシンボルマーク! 誇らしげです。なりき~ん。

 我が大阪、羽曳野市も金さえあれば、こんなの作りたいでしょうね。

 意外なところに文化的共通点が!!

 

 

 しかも建築のディテールは正面のみ!! 側面は鉄板!! ハリボテ建築!!

 「これがフィンランドデザインの割り切りの美と言うものなのか!!!!」

 

 わたしはまだまだフィンランドの本当の美と言うものを知りませんでした。

 

 「アアルトだ?カイフランクだ?? ばかやろう、トゥーリへ行ってこい、トゥーリへ!!」

そこにフィンランドの全てがあるのがわかるでしょう

 

 このセンス、アメリカ?中国? いやいや、日本の田舎の第三セクターの建築なんかずばり、これですね。

 

 

 

 小さな個人営業の雑貨屋さんを、一代でこのような超巨大スーパーに成長させた偉大な社長は、実は店のとなりに住んでます。邸宅もまた誇らしげ!!

 庭にはペガサスがいななき、厳かな彫刻が立ち並んでおります。ここで、社長は沢山の美女に囲まれて優雅な人生を謳歌されているとのこと。おお~!!男の夢!!やはり、男児たるものそうでなければ!!

 つまり、トゥーリとはフィンランドの美を象徴する存在であり、また、男のロマンの象徴、なのです。

 

 ※ くれぐれも本気になさらぬように!!!!

 

 

 ライフルあり。

 アウトドア用品あり。その他、家電品やらなんやらかんやら、そろっております。それはいいんですが。

 やる気ないバイトの高校生も完備!!なんでこっちのスーパーとかデパートは営業時間に棚卸しするんでしょう。通路にダンボールを平気で広げるので商品を見たくても見れないことはざらです。おそらく、従業員の権利を厳守するために営業時間以降の労働は認められないのでしょう。

 

 

 

  物欲の無いオッリさん。仕方なく、どこでも売ってるフィスカルスの庭用ハサミを買われました。

 「ヘイ、ヒロハル、満足したか? お前、トゥーリ好きか??」

 「トッタカイ! もちろんでゲス!!」

 

 

言します。この国において、もっともフィンランドらしくない存在、といえるでしょう。

なりき~ん。

 



後日談:わたしは2014年の夏、フィンランド作家達と話す中で、”トゥーリ社長の大ニュース”を聞きました。

 

 3人の小さな子を持つその作家さん夫婦曰く、


「今年もトゥーリに言ってきたよ…なぜかって? 彼はフィンランド中の子供たちのために遊園地を、無料開放してるんだ!毎年、夏の間ずっとだぜ!! 彼はリッチになって気づいたんだ、”本当に大切な何か”を…」


「ええ、そうよ。彼は子供が出来て変わったの。もはや以前の彼ではないわ! わたしは彼を信じてる!!


やっぱり、「愛」なんですね(はーと)ふーん。



 

 

 

         芝刈りマシーン!!

 ここらでは一家に一台必須です。

 

 

 こんばんのおかず~・・・ひ~っつ

 

 

 ぼくが釣ったんや~     うそ。

この時期はまだ雪解けすぐで、ハウキは産卵に岸辺にまで来ていましたが、ルアーにはまるで見向きもしませんでした。だから、私はまだハウキ未体験でした。

この魚は、金網の伝統的なモンドリにS字に体を曲げていっぱいいっぱいで入っておりました。

 

 

 らいおん。 みたいないぬ

 

 

 この馬小屋の赤い色が美しかったのですが、どうも再現できません。

 

 

 

 

 

 

 このラパラ。こどものころ釣具のカタログの表紙に載っていた。

 

それで、人生初、ハウキが釣れようとは!!

 

 

 

 

 でもまあ、初ハウキは、ひと月ほど後のことですけど・・・このころは知る由もありません。

「今日こそ釣ってみせる!!!」

 

 

 

 

 

 春、初サウナの日

 

 

 

 

 

 

 

 サウナの中にまで持っていかれてしまうかわいそうな私の防水カメラ。一瞬ですけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サウナのあと・・・

 

 

 

 そろりそろり。

つ、つめたあー!!!!

  くう~っつ!!

 サウナ万歳!!

 私は今まで何度も日本でサウナに入っていながら、ほんとの意味でのサウナをまるで知りませんでした。こんなに爽快なものだったとは・・・・!

 

 

たまりまへん・・・さわやかな気分を満喫中のさわやかな私!!
たまりまへん・・・さわやかな気分を満喫中のさわやかな私!!

 

 けだるい味のカルフ。慣れればこれも、ビール。うまいと思って飲み続け、その甲斐あって、忘れられぬ味に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 体を温めては水に入り・・・

 

 

 

 

 どっぷんっ

 

 

 

 

 ふるえて上がっては、またさわやかな夕方の空気に心の芯まで浸ります。

気がつけば、いつしか夕闇が視界の全てを包んでいます。

 褐色の湖に頭まで浸かっては、身を水に委ね、体温も心も、自然環境に同化してゆくように 感じます。生きることは、その環境と混ざり合うことだと感じられます。

 

 

 

 

 

 

 

 

  ※立ち泳ぎ、全裸バンザイ撮影中。カメラ水没の危険を顧みず果敢に挑戦。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 みんな、青い闇の中。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ゆっくりあるいて、おうちにかえると、「ごはんができたよ。」

 

今日はメーデ-、ヴァップの日は学生の祭典。デザートはドーナツが普通ですが、私たちの家ではアイスクリーム。あげたてのクッキー皮で挟んで食べます。ジャムはクラウドベリー。花の香りの高貴な味です。

 

 

Kiitos kailille Suomen Parhaat Ystävät!!

 2020、ヘルシンキでの個展が終了しました。

 2年がかりのプロジェクトで、ずっとそれだけに掛かり切りでしたが、ついに終わってしまいました。

 

 関係者の皆様や、強力にサポートしてくれた親友たちに、あんな気持ち、こんな気持ち、色々お伝えしたかったのに。いつもそうですが、済んでしまうとあっという間。

 

 こんな成功した展覧会はなかなか経験できるものじゃない。

 

 何度も繰り返し来場してくださったお客様、遠い国から深く感謝申し上げます。

 

 そして、親友たち、また近く、次の機会を待っててください。

 

 特にいつも親のように心配してくださっているオリさん、レエナさん、エイラ、アンティさん、カアリナ、ヘイッキさん、お体を大切に。

 トゥッカ、パイヴィさん、素晴らしい友情をありがとう!!

Tusen takk for dear friends, ありがとうM.Aさん!!

2017、あたらしいBLOG書き込もうと一念発起!! 今年のノルウェー個展は個人的には特別な機会となります。これからぼちぼちかきますのでBLOG2017のコーナーを御覧下さい!

 

 

 

2015 7~9月、はしばらく休めていたノルウェーでの個展企画など美術活動を展開中です。ムンクの研究はわたしの生涯のものですが、現在はなにより、ノルウェー高地の森林限界地域の自然環境の取材を行っております。予期せず決死の活動になってしまっておりますが…冗談抜きに死ぬところでした…  詳しくはBLOGのJotunheimenの項目を御覧下さい!!

 

 

 

2014 7~8月、今年のフィンランドでの美術活動を終え、日本にかえって来ました。 全長8mの巨大な絵画を描き上げてきました。 詳しくは後日BLOGで!!

2010-2011 Works in Finland Virrat16,17がいまさら完成しました。よろしければ御覧ください。

                               

 2011年、北欧ラップランドでの写真展を終え、フィンランド内陸部の湖畔の美しい村で、制作と展覧会、また、国際的なアーティストたちとの刺激的なワークショップを終えました。

 現在は、憧れであった、ノルウェーのハルダンゲフィヨルドに面するオールヴィクで、なぜか楽しいオランダ作家たちと、興奮に満ちた日々を過ごしております???

 『厳しい冬を知らずして、北欧の美術は語れない』との思いで、氷との格闘からスタートした私の留学でしたが、春には現地の誰より薄着になれるほどタフになりました。

 冬から春、夏へと急激に変化する北欧の気候には、ただただ圧倒されるばかりです。 

 すっかり報告が伸ばし伸ばしになっておりますが、私の体験していることを少しずつご紹介いたします。