日本の沼々。私の感性の源。
いいなあ・・
きわめて亜細亜的な水景。
この緑の濃密さはヨーロッパにはない生態系の色濃さを感じさせる。
日没前。耳を澄ませば様々な生き物たちの吐息に囲まれていることに気づかされる。
日本めだかが現存する忘れられたため池。
田畑が無くなってしまったので、この池もあとどれだけ現状のまま残されるかわからない。 近隣で昔の姿をとどめている池はかろうじてここぐらい。それも僅かばかりの薄い林で隠されているだけだ。地形がちょっと複雑なために造成されずに済んでいる。今もヘラブナ天国。しかし他の多くの素晴らしい水景がたどった悲しい運命を思えば、これが失われるのも時間の問題かもしれない。
ブラックバスもいなければギルもいない。アカミミガメはいるがおおむね昔と変わらない穏やかな池。真冬には粘土質の山池特有の、青く透明な水の色に底まで染まる。
クサガメだけでなく、ニホンイシガメの姿もみられる。
いつまでも変わらずあり続けてほしい原風景。
何十年と繰り返しくりかえし、夢に出てくる。
今ではかなり遠くまで出かけないとこのような水景は見ることができない。
自分の記憶はかけがえない景色との感動的な出会いと、造成によるその破壊による喪失感の層をなしている。
原景は次から次へと失われて行くのに、記憶はどこまでもそれらを美しいまま頑なに守り続ける。
現実とのギャップはもはやどうしようもない。
幸せ満喫中の絵描き